もう一人の自分

日本に帰化して約20年。 日本国民の一人として普通に暮らしていますが、元在日として思うこと、あれこれいろいろ。

日本人とか在日とか関係なく地元のツレ

 

私が生まれ育った大阪の西成。

全国から日雇い労働者の集まる街として有名な地域です。

 

私の地元は同和地区を含み、在日朝鮮人も数多く居住していました。

私が通った中学校も同級生の2~3割程度は在日朝鮮人だったと思います。

そして私の通った中学校では、

同和地区だとか在日とかで誰かが差別されるってことは一切なかったと思います。

 

在日の生徒の中には本名を使用している者もいましたが、大半は通名使用でした。

ただ通名を使用しているからといって、在日を隠している訳ではありません。

「俺、在日やで」

「あぁ、知ってるで」

誰かと友達になれば、気安く自分が在日であることを話していたと思います。

そんな訳で、誰が在日かって事は自然と周囲に伝わっていきますし、

 だからといって生徒間で何かが変わることもありません。

同和地区とか在日なんて、友達関係にとってどうでもいいことだったのです。

 

同和地区であろうがなかろうが、日本人であろうが朝鮮人であろうが、

ずば抜けた運動神経の者もいれば、飛び抜けて勉強出来る者もいるし、

とても面白い人気者もいれば、皆から憧れの美人や男前もいる。

人それぞれの個性や能力に、その人の出自ってものが何も関係していない。

そんな環境の中では偏見や差別って生まれないのかも知れません。

 

 

中学校を卒業して40年近く。

今では1年に1回集まれるかどうかの付き合いになってしまいましたが、

日本人だとか在日朝鮮人だとか関係なく、

その頃の中間達は、今でも私にとって地元のツレです。