もう一人の自分

日本に帰化して約20年。 日本国民の一人として普通に暮らしていますが、元在日として思うこと、あれこれいろいろ。

私の国籍と戸籍の変遷

私が生まれた時、私の家族の国籍は「朝鮮籍」でした。

そして私が14歳の時、家族揃って全員で「韓国籍」に変更することになりましたが、

 私にとっては「朝鮮籍」であっても「韓国籍」であっても、

それで何かが変わったという訳ではありません。

 

23歳の頃、友達と海外旅行の計画が持ち上がります。

生まれて初めての海外旅行。

もう何だか嬉しくて嬉しくて、待ち遠しいものですね。

ところが私にはパスポートが発行されなかったのです。

 

韓国籍」の在日朝鮮人ならば、そのパスポートは韓国が発行します。

そしてその韓国のパスポート発行には、韓国の戸籍が必要だったのです。

在日外国人は日本の戸籍を持つ事が出来ません。

だからといって、日本で生まれた私が韓国の戸籍に自動的に編入される訳でもなく、

誰かが韓国に出生届を出さない限り、韓国の戸籍に編入される訳ではありません。

 「韓国籍」であっても、韓国には戸籍を持たない状態だったのです。

 

結局、生まれて初めての海外旅行は断念。

楽しみにしていただけに、落胆も大きなものでした。

 

翌年、あらためて時間と費用をかけながら韓国の戸籍を作成。

以降、無事に韓国のパスポートも発行され、海外旅行も可能になりました。

 

その後、帰化を申請し「日本国籍」を取得したのが32歳。

韓国の戸籍から除籍し、日本の戸籍を作成することになります。

 

 

こうして私は一つの人生の中で、

朝鮮籍」、「韓国籍」、「日本国籍」の三つの国籍を過ごしてきた事になります。

日本に生まれ、日本で育ち、そしてこれからも代々日本で暮らしていく私にとって、

この国籍の変遷はごく自然の流れだったのかも知れません。